ワイヤロープ
近年、運搬荷役作業の合理化に伴ってクレーンの利用度が高まるなか、それぞれの用途に適応するため、クレーンの構造や機能は多様化しています。
ロープは、クレーンの消耗部品であるとの考えから、比較的粗末に取り扱われる傾向がありますが、ロープに対する取扱者の知識の不足や不注意により重大災害にいたった例は少なくありません。
クレーンの機能の多様化にともない、使用されるワイヤロープの特性も目的に応じて厳しくなってきています。
当社では、各用途毎にワイヤロープ在庫を取り揃えております。
用途別ロープ明細
巻上索・横行索 | 6×37、6×Fi(25)、6×Fi(29)、6×WS(31)、6×WS(36) |
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起伏索 | IWRC6×WS(31)、IWRC6×WS(36) |
支持索(ペンダント) | 6×WS(31)、IWRC6×WS(31) |
グラブ開閉索 | 6×WS(31)、6×WS(36)、6×WS(41) |
クレーン用ワイヤロープ
スーパーコートロープ(東京製綱)
スーパーコートロープは、従来のロープ心の代わりに、樹脂被覆したロープ心を入れたものです。これにより、側ストランドとロープ心との直接の接触をなくし、内部磨耗の防止や断線発生の低減が図れ、ロープ全体の寿命が長くなります。
メリット- 側ストランドとIWRC強擦を防止し、IWRCの早期断線を防止します。
- 耐衝撃性が向上します。
- ストランドの内部断線(谷切れ)を防止します。
- IWRCの内部腐蝕を防止します。
- 一般ロープに比べ、1より間10%断線時までの繰り返し曲げ回数が約20%多くなっているため、廃棄基準までの寿命が長くなります。
- 外部断線の割合が多く、さらにIWRC断線は非常に少なくなっているため、外観目視点検の容易なワイヤロープとなっております。
- 特殊ピッチ品と組み合わせることによって耐疲労性が飛躍的に向上します。
(樹脂被覆IWRC)
6×WS(36)
(樹脂被覆IWRC)
6×P・WS(36)
スーパーストライプロープ(東京製綱)
- 樹脂充填型ワイヤロープです。長寿命・高い安全性を持ちます。
- ストランド間に樹脂スペーサを挿入し、ストランド間の強擦を防止することで谷切れ断線を防止します。
- シーブとの接触面圧を軽減し、山切れ寿命を向上させます。
- IWRCも樹脂被覆されており、側ストランドやIWRCの接触を防止することで、心接面切れやIWRCの断線を防ぎます。
- 耐疲労性も従来品の2倍以上と大幅に増大します。
- 曲げやすく軽量であるため、取扱いも容易です。
タフスーパーロープ(東京製綱)
- ストランドに異形加工(ダイフォーム)を施したワイヤロープです。
- ストランド表面が平滑であるので、耐摩耗性に優れます。
- 通常の丸線ストランドロープと比較して破断荷重が約15%大きく、強力です。
- 2次曲げがなく、同構成のロープよりも耐疲労性に優れます。
- ストランドが緻密に撚り合わされているので型崩れがほとんど生じません。
- ドラム、シーブ、ローラーなどの損傷を軽減します。
6×P・WS(36)
+39×P・7
非自転性ロープ(東京製綱)
- ロープに張力が作用した時の回転トルクを軽減されるように設計されたロープです。
- 高揚程クレーンの巻き上げ索のからみつきや回転等の障害が軽減されます。
- ストランド数を3~4本とし、ピッチを加減すること回転トルクを少なくした「モノロープ」と、断面形状が円形のストランドを2層以上互いに反対に撚り合わせて多層間のトルクを相殺させる「ヘルクレスロープ」と「ナフレックスロープ」がございます。
+39×P・7
玉掛索用ワイヤロープ
玉掛索はロープスリングとも呼ばれ、物を吊り上げるときに用いられますが、物を固定するときに用いる台付索と異なって、加工するときの差し回数、差し方がクレーン等安全規則219条に規定されています。
玉掛索と台付索とは混同されがちですが、明確に区別して取り扱う必要があります(日本工業規格JIS B 8817参照)。
当社では熟練した1級・2級ロープ加工技能士により、安心してご使用頂ける確実な加工製品をご提供致します。
アイスプライス(219条差)
ロープ加工製品にはこのような全日本ロープ加工組合連合会作成の黄色ラベルが付いており加工者の技能士番号(国家検定の合格者に与えられる)が記されています。
このラベルが付いた製品は、ロープ加工の技能を国が検定し証明しています。
アイスプライス加工した玉掛索には、ロープ加工技能士が製作したことを証明する、技能士ラベルのついた製品を御使用ください。
トヨロック(東京製綱)
東京製綱のトヨロックは最も確実な端末締結加工です。
耐食性強力アルミ合金素管をプレスし、塑性変形させて、ワイヤロープを強力に締結する方法です。
トヨロック製品には、全て「TOYO-LOK」のマークが刻印されており、独自の品質保証をしております。
厳選された素材、優れた加工方法、厳しく品質管理されたもののみがTOYO-LOKマークをつけることが出来ます。
当社ロープセンターはトヨロック製品認定工場として、高品質な製品をご提供致します。
ハイクロスロープ(東京製綱)
- 強い・軽い・柔らかいを追求した次世代玉掛用ワイヤロープです。
- 従来の6×24は6×37といった交差よりロープに比べて高い破断荷重を持ちます。
- 同じ破断荷重のロープに比べてロープ径のサイズダウンと軽量化が可能です。
- サイズダウンによって柔らかさといった作業性や、コスト面でも優位となります。
- 従来品と区別するため、心綱を赤くし、更に識別用のチューブが取り付けられます。
柔[やわら] (東京製綱)
- 玉掛ワイヤー用高強度ケーブルレイドロープです。
- ストランドをワイヤロープ構成として素線数を多くすることで、一般的なロープに比べて柔軟性に優れます。
- 素線の高強度化を実現し、従来のケーブルレイドロープに比べて高い破断荷重を持ちます。
- 柔らかく軽量で扱いやすい特徴を持つほか、曲がり癖が付きにくいので長寿命化が図れます。
ハイスリング(東京製綱)
- 極限まで強さを追求した玉掛用高強度ワイヤロープです。
- 超高強度を目指すために開発された線材を使用し、通常品のロープ径と比べ2サイズダウンが可能となりました。
SHロック
- 通常のロック加工(圧縮止め加工)製品は圧着後にロープ端末がクランプ下部より突出させることが条件ですが、本製品は泉陽製WN型クランプによりロープ端末部を封じ込めるよう工夫されております。玉掛作業者の負傷や、玉掛作業時の引っかかりを防止することができます。
ワイヤロープ解線調査
- 使用後のワイヤロープがどういう状況になっているのかを素線単位まで分解調査します。
- 短納期で検査結果を出せるため、実際に携われている現場の方々がロープの状態を理解し、交換周期が適切か否かの判断材料としてご利用頂けます。
※検査後、報告書を提出致します。
仮に断線等があった場合、どの部位の素線に損傷が見られたのかを報告致します。
※本サービスは名古屋営業所限定となります。
ワイヤロープ診断技術
ワイヤロープテスタ: ワイヤロープ断線検知装置 (東京製綱)
- ワイヤロープテスタは漏洩磁束法を用いて、使用中のワイヤロープの疲労断線を検出する装置です。
- 目視点検では確認不可能な内部断線を検出します。
- 検出器は電源コードを通す必要も無く、最小限の機器調整で正確な測定が可能です。
- 測定したデータはCFカードにデジタルデータで保存・出力でき、付属するソフトでパソコン上でのデータ解析、管理が可能です。
- オプションの記録計やオシロスコープ等への接続で、検査現場でも信号波形が確認できます。
REXS: ワイヤロープ寿命管理コントローラ (東京製綱)
- レックスはワイヤロープの寿命管理コントローラです。
- クレーンの荷重計からの情報から、ワイヤロープの残寿命回数を算定します。
- ワイヤロープの負担量を正確に把握することができるので、的確な交換時期を見極めることができます。
ワイヤロープ関連商品
フックル(ホリウチ)
玉掛ワイヤロープを直接取り付けることができる、株式会社ホリウチのオリジナルフックです
- 組立作業なし
シャックル・カップリングを使用せずに、ワイヤロープに直接取り付ける事ができるので組立作業の必要がなく作業効率がUP - 安全設計
ワイヤロープと同じ安全率6で設計しています - ワイヤロープのみの交換で可
取り付け・取り外しが簡単に出来るので、ワイヤロープのみを交換する事が可能です。
ワイヤロープから取り外して別の現場でも再度使用できます。
ステンレスロープ(神鋼鋼線工業)
- ステンレスロープは耐食、耐熱、耐低温性に優れた特性を持っております。
- 鉄鋼、化学、電力、自動車、船舶、原子力などの各方面のみならず、環境関係機器、レジャー用、装飾用として社会の各分野に広く使用されております。
ケーブルグリップ(神鋼鋼線工業)
- ワイヤロープの引き出しや、連結、ケーブル架線工事、地下ケーブル工事などに使用されます。
- 取扱いが簡単でロープやケーブルに迅速に取り付け、取り外しが可能です。
- 柔軟なソックスを構成しており、作業上安全で特別な工具は不要です。
ワイロール[補給用グリース] (東京製綱)
- ワイロールは東京製綱が開発したワイヤロープ補給用グリースです。
- グリースの補給はロープの耐摩耗性の向上や腐食、疲労などの進行に対して著しい効果を持ちます。
- ワイロールはロープへの補給に必要とされる全ての特性を持ち、様々な使用環境や条件にマッチした製品です。
- 使用環境や特性に応じて用途が分類されます。
- 標準型:ワイロールR-M 、ワイロールB-M など
- 粘着型:ワイロールG-L など
- 低温型:ワイロールLT
- 高温型:ワイロールHT
- 油膜沈降型:SP-6
- スプレー型:ワイロールエアゾールR(画像の商品)など
ワイヤーソケット[TSK型] (東京製綱)
下:JIS O-16 ソケット
- ワイヤロープの端末固定方法には様々な種類がありますが、重要な用途あるいは長期使用箇所では最も確実な方法としてソケット加工があります。
ワイヤロープ用ソケットは「船用ワイヤソケット(JIS F3432)」として規格化されておりますが、その用途および対象ロープは限定されたものであります。
この課題に対して東京製綱が開発した「TSKソケット」は用途を明確化するとともに、強度保証と画期的な軽量化が図られております。 - ソケットの種類はワイヤロープの破断荷重により、標準型と強力型に分類し、各々の型式にクローズ型(C形)とオープン型(O形)があります。
- 当社では、ロープ加工技能士によるワイヤロープへのソケット取付加工が可能です。
鍛造KTクリップ (コンドーテック)
- JIS規格F型のワイヤークリップです。
- 生地とドブメッキ製があります。
- ワイヤクリップは正しく取り付けて下さい。正しい取付け方法・適正なトルクで締めつけられた場合で保持効果は80%です。